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舞台俳優と声優とアイマスがすきな女おたくの独り言

おん・すてーじ 真夜中の弥次さん喜多さん 双 を観た話

 

お久しぶりです。タイトルの通り、おん・すてーじ 真夜中の弥次さん喜多さん 双(ふたつ)を観てきたので今更ながら感想です。ネタバレです。

とにかくこの舞台を褒めたい、讃えたい、その一心で今文章を書いています。最後までどうぞお付き合いください。

真夜中の弥次さん喜多さんとは、しりあがり寿氏によるの漫画、小説及びそれを原作とした映画、舞台作品です。
弥次さんと喜多さんはディープに愛し合う恋人同士であるが、喜多さんは重度のヤク中で"リヤル"がなんだか分からなくなってしまっていた。そんな2人がどんな困難も昇華されるというお伊勢さんを目指して、お薬もやめてふたりっきりで幸せに暮らす為にペラッペラのお江戸から旅に出るお話です。

弥次喜多との出会いは、同キャストでやっていた「おん・てぃーびー 真夜中の弥次さん喜多さん」を観てからでした。
原作も、作者であるしりあがり寿さんのヒゲのOLが本棚にあり、TVBros読者だった私はもちろん知ってはいましたが弥次喜多だけは読んだことがありませんでした。映画も未視聴です。
初演はキャストも制作会社もなかなか気になるところでしたが、タイミングが合わず行くことが出来ませんでした(今めちゃめちゃ後悔しています)。
テレビドラマというのは家でも簡単に観られますから、触れるのに丁度良く、早朝でしたが1話目から見はじめて、一瞬で「これ大好きなやつやんけ……………」と毎回楽しみになりました。
初演もDVDで観て、原作も買っちゃうな…というところに飛び込んできた続編と追加キャストの発表。燦然と輝く「加藤良輔」の文字。久々に小躍りをした気がします。
大好きな作品に推しが出る。う〜〜んあまりに最高…。チケットを勢いで取り、ルンルン気分で 双(ふたつ)を観てきました。

いやマジでとんでもないもの観てしまった…………
これは最大の褒め言葉なんですけど、よくこんなもの作ろうと思ったなあ!ありがとう!!川尻さん!!そしてこれにGOサインを出したCLIEさん ありがとう!!でもほんとに大丈夫?
大好きなものをでかいミキサーで"ぐちやぐちや"(CLIEのツイートの真似)にして、永遠口に突っ込まれてる感じ。こんなに観てるこっちが疲れる舞台もなかなかない。息切れしてるんですけど、脳みそ吸い取られて最高だったことしか思い出せない…みたいな。実際麻薬キメてんじゃないのか?という、精神状態になります。ふらふらフワフワしながらDVDを予約しました。

ネタバレしようにもレポをしようにも脳みそが吸い取られている上に、とても正気では理解できる文章に表すことができないのですが、少しだけ摘んで書きたいと思います。

開演15分前くらいに席に着こうと場内に入ると、既にボンドガール5人が客席を練り歩いています。ボンドガールとは、バーバラ・ブルック(as松本寛也)、ジョディー・マクガバン(as加藤良輔)、ローズ・ジャクソン(as足立英昭)、パメラ・マローン(as古谷大和)、リー・ファン(as松本祐一)の5人の女の子たちなのですが、予告なしに普通に客席をフラフラしていて客に絡みまくる彼女たちにまず圧倒されます。バーバラに追い回され、パメラとローズに話しかけられたり、リーに扇子で仰がれたり、ジョディーにデカイ声で挨拶されたりとめちゃめちゃ愉快でした。大千秋楽では通路にパメラとローズがアーチを作り、バーバラが仁王立ちしているところを通り、席に着くなど、あまりに画期的で開演前から気が変になるかと思いました。
私は生まれてはじめて劇場で俳優から逃げました。バーバラ、圧がすごい。
でもこのシステムのお陰でみんな席に着くのもはやいしケータイの電源も早めに切るし、楽しいし面白いし良いとこづくしなのでは?
そんな感じでボンドガールが帰って行き、前座で田代さんと福井さんより注意事項。これも楽しかった。ホワイエ…。
本編は7月末までニコニコで1600円で配信していますのでみてください。
シュルレアリスムの入った鍋にメタフィクションとコメディ、生と死と性と愛をぶち込んで歌とダンスをかけてパンク・ロックアナーキーに仕上げてみました!!って感じです。
全人類にはとてもじゃないけど勧められない、だけど好きな人は絶対好きでしょ?だったら絶対観てくださいとしか言えません。ホラーの文法が強いんだけどそういうわかりやすさじゃなくて気味の悪さとか違和感とかがずっと這い回ってるのに笑いが止まらない、感情がどうにかなってしまうような感覚を味わってください。

最後に、晩餐会について少し。
晩餐会、どうしても川尻さんが入れたかったというお話。その後、すぐに読んだ原作の弥次喜多in DEEPのほぼ再現だったように思います。
弥次さんと離ればなれになった喜多さんの地獄の前の晩餐会。背後には地獄。裏には花畑にいる弥次さん。繋がっていないようで繋がっていて、誰が死んでいて死んでいないのか。運ばれてくる食事。嵐の土砂の中で見つかる晩餐会参加者の死体。

晩餐会の説明のない関係性、説明はないけどひと目でなんかヤバイなと思わせるところ、というか。それぞれがそれぞれでずっと何かを話している。外から見た精神的なヤバさはそりゃ奇声あげたりしたら分かりやすいけど晩餐会はそれだけじゃないじゃないですか。
ゆっくり重ねる不気味さ。この長い時間が続けばどうにかなってしまうのでは?と観てるこっちが息切れするやつ。でもそういうのが好きだし観たかったやつだよなあと。外と内とのちぐはぐさが笑いを生むというか、だから晩餐会のシーンは表面的にみると気味が悪いで終わっちゃうんだけど、裏の弥次さんのシーンとうまく掛け合わせてサイコホラーチックだけどなんか変な笑いが出る、みたいな。しりあがり先生が舞台をイメージして描いたようなことをおっしゃっていて、原作をそこまで詳しくチェックしてないのにあまり言えないんですけど、舞台上でやってるのを俯瞰で観てやっと笑えるシーンじゃないですか?笑えるか?と思うかもしれませんが、あのシーンが大好きで楽しかったし、何度も噛み締めています。これをつくってくれて、演じてくれてありがとう。

さて、続編の おんすてーじ真夜中の弥次さん喜多さん三重(仮)も発表され、すごく楽しみです。このトンデモ世界をまた味わうことが出来るのか…と思うと今からでもチケット取りたいくらいですが、まだ我慢して、ニコニコの配信を観まくろうと思います 7月末までだからみんなもよろしく!